サプライズ
そう、わたしはこの日のために、3日間徹夜したのだ。おかげで肌はちょっと荒れちゃったけど、直前の仮眠でなんとかマシになった、と、思いたい。せっかく、着慣れないドレスや、いつもと違うメイクだって、ミランダさんたちに手伝ってもらったのだ。何が何でも喜んでもらわなきゃ。胸に手を当てると、彼からもらったネックレスが揺れた。
そうっと、足音を立てないように、デスクに向かう彼の真後ろに立つ。ジョニーやキャッシュが目配せして、クラッカーを用意する。時計の針が、重なった。
「リーバーさん」
「んー?」
そして、振り向いた瞬間。一斉に、クラッカーの音が鳴り響いた。
目を丸くするリーバーさんに「今日、何日か知ってますか」と問うと、落ちていたカレンダーを拾って「……嘘だろ」と呟いた。
「忘れてた」
「だろうと思ってました」
せーの、と息を合わせて。
「ハッピーバースデー、リーバー班長!」
全員の声が、重なった。
「サプライズ、成功しました?」
「ああ、十分すぎるくらいにな」
リーバーさんは立ち上がると、わたしの手を取る。
「……困った。今すぐお前を抱きしめたい」
なんて言うものだから、わたしはその胸に飛び込んだ。