メビウス
さすが禁忌と言われるだけのことはある。何度試しても、何度やり直しても、徒労に終わってしまった。やはり無理なのだろうか、死人を蘇らせるなんてことは。
彼女は、僕の光だった。
彼女は、僕の全てだった。
だから引き止めてしまった。彼女の意思なんて関係なく。
"彼女" を瓶から出すたびに、"彼女" を瓶に詰めるたびに、どこかが傷つき、どこかが欠落していく。けれど「魂の本質」とでも呼ぶべき部分は、まさしく彼女のままだった。それで尚更、諦めがつかなくなってしまった。
本当はもう、どこかで察していた。僕が望み求め続けているあの子が蘇ることは、もうないのだと。
けれど、もし、いつか。彼女が現れる可能性が、1%でもあるのだとしたら。そう考えてしまう限り、僕はこの愚行を繰り返し続けることだろう。何度でも、何百年でも。そう――幸い、僕は暇だからね!